第59回 テーマ : ミッドレンジを鳴らしきる (その4)


ここまでは、ミッドレンジを鳴らしきる為の条件を書いてきました。
スピーカーの設置方法に於いてアウターバッフルで角度を付けた施工をしたうえで、
アンプ銘柄は別として、
2チャンネルアンプを複数台使用して
マルチ・システムを構築するのが良い結果になっているようです。
加えて言えば、以前の豆知識でもご紹介しているように
電源の強化を施した方がさらに有効になります。

では、ココまでの条件を踏まえて、
さらにミッドレンジの性能を引き伸ばす方法を考えてみます。

と言っても、、、
今回の豆知識はちょっと違ったアプローチです。

スピーカーを鳴らす時に
ホームオーディオのシステムの場合と
カーオーディオのシステムの条件が大きく違ってしまう所があります。

それは、左右のスピーカーの位置(角度)です。

このような悪条件のバランスをクリアする為には、
先にも書いたようなバッフルの角度を付ける施工などで
対応する方法が代表的です。

しかし、ここでもうひとつ拘ってみたい部分があります。
それは、左右の「スピーカーケーブルの長さの違い」です。

スピーカー配線作業のセオリーを言うならば、
なるべく短い配線処理を行うことが鉄則となっています。
理由は非常に簡単で
余計な長さの配線を引き回すことで
外部からのノイズが混入する確率が多くなってしまうのを防ぐ為です。

車は左右のスピーカー位置や、
シートフレームの形状、フロアパネルの起伏などの影響によって
左右対称に配置されている訳ではありません。
そのうえ、車を機能させる為の配線などが縦横無尽に引き回されているのが殆どです。

このような条件下で配線処理を行えば
必然と左右のスピーカーケーブルの長さか変わってしまいます。

しかし、ここで物理的なことを考えてみます。

スピーカーはアンプからの信号を受け取って駆動します。
スピーカーまでの信号到達スピードは配線の長さや抵抗値によって変化します。
ということは、、、
この状態で音を鳴らせば左右の音バランスが崩れてしまうことになります。

この結果論から推測すると
「左右のスピーカー配線の長さも揃えた方が良い」ということになります。

シンプルなシステムの場合は、
デッキからアンプまでがRCAケーブルで接続されていて
アンプからスピーカー(パッシブクロスオーバーなども含む)までが
スピーカーケーブルになります。
市販されているRCAケーブルの殆どは、
もともと左右の長さを揃える必要が無いので問題は少なくなっていますが、
スピーカーケーブルに至っては
ユニット間の位置的な要因だけで長さが決定してしまう傾向があるので
左右の長さが変わってしまいがちです。

左右の音を純粋に揃えて表現させるアナログ的な工夫ということで、
敢えてスピーカーケーブルを長めに配線処理をして
左右を揃えることが有効な手法になります。

勿論、ノイズが混入する場所への配線はタブーとなるので
基本的なスピーカー配線処理には細心の注意が必要です。

「CDに含まれた音」を正確に表現させる為に
「逆セオリーな作業をする」というひとつの答えを出してみましたが、いかがでしょうか?


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