第56回 テーマ : ミッドレンジを鳴らしきる (その1)


カーオーディオの醍醐味のひとつとして
お気に入りのアーティストが目の前で歌っているような「音」を再生させることがあります。
オーディオファンの中には、この中域部分の音造りに試行錯誤を繰り返すことも多いことでしょう。

では、有効な方法というものは どのようなことなのでしょうか?
筆者が考えるうえで重要になる項目を3点ほど絞って選んでみました。
スピーカー(特にミッドレンジ)の設置場所と向き
スピーカー裏の処理
使用するアンプの選択
勿論、この他にもクロスオーバーやイコライザーなどの要因が大きく影響をする部分もありますが、
今回は、上記のポイントを中心に書いてみたいと思います。

1番目に書いた「スピーカーの設置場所と向き」に関しては、
何度か過去の豆知識でもご紹介したように
なるべく有効な直接音を増大させたうえで余計な反射音を消していく設置を施すことになります。

主にバッフル製作、設置を車側にどのようにインストールするか?
という物理的な要因が多く含まれています。
インストールをする人のセンスで、「音」の表現力、ステージングの広さ、適度な奥行きが決定します。

しっかりしたインストールを施したオーディオなら目を閉じるだけで
アーティストとのリアルな空間が楽しめます。

2番目の「スピーカー裏の処理」は、多くの方が防振処理をイメージされることと思います。
確かに防振処理は非常に重要な処理なのですが、今回は違った部分を考えてみたいと思います。
それは、吸音と空気容量です。

スピーカーは構造上、前面と後面から逆位相ですが同じ音が出ます。
しかし、スピーカーの裏には表側と違って車体のフレームやボディパネルなど様々な障害物が点在します。
スピーカーから出た音圧が障害物に当たると跳ね返える現象がおこります。
跳ね返された音圧は、そのままスピーカーへ戻ってコーン紙を押し戻すような動きとなり、
結果的にスピーカーのコーン紙は正確な動きが妨げられることで
綺麗な「音」を再生することができなくなります。

このような問題を解消する為に吸音材を配置して
スピーカー裏の音圧を吸収、拡散させることが有効な手法となります。

また、ミッドレンジもスピーカーなので厳密に言えばボックス容量が必要になります。
勿論、ウーファーほど容量が大きいケースは少ないのですが、
リスナーが鳴らしたい領域(音の範囲)によっては考えなければならないことになります。

2ウェイのスピーカーセットだけでシステムを構築する場合は、
ミッドレンジが ある程度低い領域まで「音」を出せるようにします。
そのためには、スピーカー(ミッドレンジ)が多くの空気を動かす必要がある為、
なるべく大きなコーン紙と大きなストローク量が絶対条件になります。

この場合、スピーカー裏に鉄板があるような場合では
スピーカーが作り出した空気の逃げる所が無いことで有効なストロークができなくなります。
従ってミッドレンジの低域不足を引き起こしてしまいます。
このような場合の対処方法は、音圧が逃げるように鉄板への穴開け加工が有効となります。

次回の豆知識は、3番目のアンプ選択を考えてみたいと思います。


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