第55回 テーマ : 反響音は いかが?


前回の豆知識で触れている反響音を今月は採りあげてみます。

反響音には1回目の反射でできる1次反響音と
2回以上の反射を繰り返してできる2.3.4...次反響音というものがあります。
「オーディオ」を楽しむうえで重要な部分は、直接音と1次反響音です。
特に1次反響音を、いかに抽出(抜き出して)して「音」を出すか?...
が、リスナーの満足度を大幅に変える要因になってきます。

反響音は「音楽の奥行き感」を司っています。
音を適度に反射させることによって
CDが最初に録音された状態(マスター録音)と同じような距離感が再現され、
近過ぎず、遠過ぎない理想的な距離感が生まれます。

しかし、簡単に反響音を抽出すると言っても車の中では思い通りに行かない障害物が沢山眠っています。

車の中は色々な素材の部品で囲まれています。

 「窓ガラス」
 「ダッシュボードなどのレザー」
 「ドアの内張りに使われているウッドパネル」
 「シートの表面にファブリック」
 「フロアカーペット」

など、簡単に探しただけでもこれだけ多くの異質な素材が見つかります。
この場合、スピーカーを設置する際に、周りの素材によってインストール方法を考える必要があります。

まず、ツィーターなどを設置する際に代表的な位置としてダッシュボードが最もポピュラーです。
これらの周りにはレザーや窓ガラスといった素材が多く点在し、
ガラスという素材は非常に硬い物質なので音を反響させてしまうことが簡単に想像できます。
特にピラー付近にはガラスが重なって配置されてくるので余計に反射しやすくなってきます。
そのうえ「ツィーターの音」自体も指向性が強いので、
安易な設置方法では高域の耳障り感が増大してしまいます。
また、レザーもビニールレザーのような素材では、
クセのある反射を引き起こしますのでこれらの素材の近くにスピーカーを設置する場合は
スピーカーの向きに細心の注意を払って設置場所を決定することをオススメします。

ウッドパネルに関しても硬い素材となります。
それは、ウッドの表面はクリア塗装仕上げなので、ガラスのように反射しやすくなるからです。
高級車になれば部品点数も増え、ウッドパネルの総面積が大きくなるので注意が必要です。
しかし、セルシオやメルセデスベンツなどのレザーを多用している車種の場合は
バランス良くレザーが吸音効果を生み出すので、
ウッドパネルが多い割にはしっかりしたオーディオになることが多くなっています。
こういった部分は他の車種で参考にしたいところでしょう。

座席などで利用されている素材であるファブリックやフロアカーペットは、
前述の素材とは正反対で吸音効果に優れています。
反響音が起き辛い素材ということは、必要な反響音も消し去ってしまいます。

よくミッドレンジのボーカル域に厚みが無いと感じたことはないでしょうか?
これは、まさしく中域の音が消されて音圧レベルが下がっていることが原因と考えられます。

なるべく音圧を落とさないようにするには、
直接音を増やす方向でミッドレンジを設置(傾斜させるなど、、、)する対処方法があります。
このように素材の要素がオーディオの良し悪しを決定してしまうので
スピーカーを取り付ける際に周りの環境を考えてみてはどうでしょうか?


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